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DIY・日曜大工・ハンドメイドの違いとは?DIYの基本を理解しよう

「DIYに興味はあるけれど、日曜大工やハンドメイドとどう違うのかわからない」「工具や材料を揃えるのが大変そう」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、DIYは思ったよりも気軽に始められ、驚くほど奥が深い趣味なのです。本記事では、DIYの基本的な知識から実践的なノウハウまで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
目次

DIY・日曜大工・ハンドメイドの違いを理解しよう

最近では、テレビ番組やSNSでDIYが取り上げられることも増え、身近な存在となってきました。しかし、似たような概念である日曜大工やハンドメイドとの違いがわかりにくいと感じている方も多いでしょう。それぞれの特徴や違いを理解することで、自分に合った手作りの楽しみ方が見えてきます。

DIYとは

DIYは「Do It Yourself(ドゥ・イット・ユアセルフ)」の略称で、「自分でやる」という意味を持ちます。具体的には、家具やインテリアの製作、住まいの修理や改善など、専門家に頼らず自分の手で行う活動全般を指します。
特徴的なのは、実用性と創造性のバランスを重視する点です。必要なものを自分で作るという実用的な側面と、オリジナリティを追求できる創造的な側面を兼ね備えているのがDIYの魅力です。
インテリアショップで気に入った家具を見つけても、サイズが合わなかったり、予算が合わなかったりした経験はありませんか。DIYならば、自分の部屋のサイズに合わせて、好みのデザインで、予算内で作ることができます。また、作る過程自体を楽しめることも大きな特徴です。

日曜大工との違い

日曜大工は、主に木工作業を中心とした活動を指します。休日を利用して家具を作ったり、家の修繕をしたりすることが中心となります。木材を使った作業が主体で、比較的高度な技術や専門的な工具を必要とすることが多いのが特徴です。
一般的に日曜大工は、木工技術を活かした本格的な作品作りや、建具の修理など、より職人的な要素が強い活動とされています。
たとえば、本格的な食器棚を作ったり、壊れた窓枠を修理したりといった作業が該当します。DIYと比べると、木工に特化していることと、より高度な技術が求められる点が大きな違いと言えます。

ハンドメイドとの違い

ハンドメイドは、文字通り「手作り」の作品全般を指す言葉です。アクセサリーや雑貨など、より創造的で芸術性の高い作品作りが特徴です。作り手の個性や感性を存分に活かした作品づくりが重視され、作品の美しさや独創性が重要視されます。
ハンドメイドの場合、実用性よりも作品としての完成度や芸術性が重視されることが多いです。たとえば、
・アクセサリー作り
・ソーイング(裁縫)
・陶芸
など、より繊細な手仕事が求められます。DIYが実用性と創造性のバランスを重視するのに対し、ハンドメイドは創造性や芸術性により重点が置かれているのが特徴です。

DIYの歴史と発展

私たちの暮らしに馴染みのあるDIYですが、その歴史は戦後の復興期にまで遡ります。時代とともにDIYの意味や役割は変化し、現代では趣味や自己表現の手段として進化を遂げています。

戦後イギリスからの始まり

DIYの起源は、第二次世界大戦後のイギリスにさかのぼります。戦争で大きな被害を受けた街並みを再建するため、市民が自らの手で家や街を復興させる必要がありました。当時、建設資材や職人が不足していたため、一般市民が自分たちで修理や改修を行うことが求められたのです。
この時期に生まれた「Do It Yourself」というスローガンは、単なる作業の呼び名ではなく、市民の団結と自立を象徴する言葉でした。
人々は必要に迫られて技術を習得し、コミュニティの中で知識や経験を共有しながら、復興に向けて協力し合いました。この経験が、現代のDIY文化の基礎となっています。

アメリカでの進化

1950年代に入ると、DIYはアメリカで大きな変化を遂げます。戦後の経済成長とともに、DIYは必要に迫られた活動から、創造的な余暇活動へと進化していきました。この時期、アメリカの家庭では自由時間が増え、住環境の改善や趣味としてのDIYが普及し始めました。
アメリカではDIY関連の雑誌や書籍が多く出版され、家庭での創作活動が一般的な趣味として認知されるようになりました。
また、DIY専門店やホームセンターが登場し、一般の人々が道具や材料を手軽に入手できる環境が整っていきました。こうして、DIYは実用的な作業から、個性を表現する楽しみのある活動へと発展していったのです。

日本での普及

日本にDIYが導入されたのは1970年代初頭です。当初は日曜大工の延長として認識され、主に実用的な家具作りや修理などが中心でした。しかし、日本の消費文化と結びつき、次第にDIYは趣味の一つとして定着していきました。
特に大きな転換点となったのは、1972年に日本で初めてのホームセンターが開店したことです。ホームセンターの普及により、DIYに必要な材料や道具を手軽に入手できるようになり、一般家庭でもDIYが身近な存在となっていきました。さらに、1992年の週休二日制の導入により、余暇時間が増えたことも、DIYが趣味として普及する大きな要因となりました。

DIYのメリット・デメリット

DIYには多くの魅力的な特徴がある一方で、注意すべき点もあります。これらを理解することで、より充実したDIY活動を楽しむことができます。ここでは、DIYを始める前に知っておきたいメリットとデメリットについて、具体的に解説していきます。

メリット

DIYの最も大きな魅力は、コストを抑えながら自分だけのオリジナル作品を作れることです。たとえば、既製品の家具では数万円するような棚でも、材料費を工夫することで数千円程度で作ることができます。また、サイズやデザイン、色使いなども自由にカスタマイズできるため、部屋の雰囲気に合わせた理想の空間づくりが可能になります。
さらに、DIYには作る過程での喜びがあります。自分の手で一から物を作り上げることで得られる達成感は、何物にも代えがたい経験となります。
また、作業を重ねるごとに技術が上達し、より複雑なプロジェクトにも挑戦できるようになっていくという成長の実感も得られます。環境面でも、不要になった家具をリメイクしたり、古材を活用したりすることで、サステナブルな生活に貢献できます。

デメリット

一方で、DIYには初期投資が必要となる点に注意が必要です。基本的な工具セットを揃えるだけでも、1万円から3万円程度の費用がかかることがあります。また、材料費も侮れません。良質な木材や金具類を使用すると、予想以上に費用が膨らむことがあります。
時間と労力もかかります。一つの作品を完成させるまでには、計画立案から材料の調達、実際の製作作業まで、かなりの時間を要します。
また、初心者の場合は失敗も多く、やり直しが必要になることもあるでしょう。さらに、電動工具を使用する際の事故リスクや、塗料や接着剤による健康への影響など、安全面での配慮も欠かせません。
これらのデメリットは、適切な知識と準備があれば十分に対処可能です。次のセクションでは、初心者がDIYを始めるために必要な基本的な道具と材料について詳しく説明していきましょう。

DIYの基本的な道具・材料

DIYを始めるにあたって、適切な道具と材料の選び方を知ることは非常に重要です。初めは何を揃えればよいのか迷うかもしれませんが、基本的なアイテムから始めて、必要に応じて徐々に道具を増やしていくのがおすすめです。ここでは、DIYに必要な基本的な道具と材料について詳しく解説していきます。

必須の工具類

DIYを始めるにあたって最初に必要となる工具について説明します。初心者の方は、これらの基本的な工具から始めることで、多くのプロジェクトに対応することができます。
必要な工具は作るものによって変わってきますが、まずは以下のような基本セットを揃えることをおすすめします。
・電動ドライバー
・金槌
・ドライバーセット(プラス・マイナス)
・メジャー
・定規
・水準器
・カッター
・のこぎり
・サンドペーパー
・ペンチ
・ニッパー
・クランプ
・保護メガネ
・作業用手袋
これらの工具は、ホームセンターで揃えることができます。最初は高価な工具を購入する必要はありません。基本的な機能が備わった手頃な価格の商品から始めて、使用頻度や必要性に応じてグレードアップしていくことをおすすめします。工具を使いこなせるようになってから、より高機能な道具に買い替えることで、無駄な出費を抑えられます。

材料の種類と選び方

DIYで使用する材料は、プロジェクトの内容によって大きく異なります。ここでは、特に使用頻度の高い木材を中心に、基本的な材料の特徴と選び方について説明していきます。
・SPF材
・合板
・集成材
・ホワイトウッド
・杉材
・パイン材
・MDF
・OSB
・ベニヤ板
・塗料(水性・油性)
・ニス
・ワックス
・釘
・ネジ
・金具類
材料選びで重要なのは、用途に合った適切な素材を選ぶことです。たとえば、屋外で使用する家具を作る場合は耐水性の高い材料を、室内用の棚を作る場合は見た目を重視した材料を選ぶといった具合です。また、材料の強度や加工のしやすさも考慮に入れる必要があります。実際に材料を購入する際は、ホームセンターのスタッフに相談するのも良い方法です。

安全対策用品

DIYを安全に楽しむために、適切な保護具の使用は欠かせません。作業中の事故やケガを防ぐため、以下のような安全対策用品を必ず用意しましょう。
・保護メガネ
・防塵マスク
・作業用手袋
・安全靴
・作業用エプロン
・耳栓
・ヘルメット
・救急箱
・消火器
安全対策は決して怠ってはいけません。特に電動工具を使用する際は、適切な保護具の着用が必須です。
また、作業場所の整理整頓や換気にも気を配り、安全な作業環境を整えることが重要です。初心者のうちは特に慎重に作業を進め、わからないことがあれば必ず経験者に相談するようにしましょう。

DIYの基本的な手順

DIYを成功させるためには、適切な手順で作業を進めることが重要です。ただ材料を切って組み立てるだけでなく、計画から仕上げまでの各段階で注意を払うべきポイントがあります。
ここでは、DIYプロジェクトを進める際の基本的な手順について、詳しく解説していきます。

計画立案

プロジェクトを始める前の計画段階は、成功の鍵を握る重要なステップです。まずは完成イメージを明確にし、必要な材料や工具のリストを作成します。この時点で予算設定も行い、材料費や工具の購入費用を見積もっておくことが大切です。
計画段階で必要な項目について、以下にまとめました。
・完成品の設計
・使用する材料を決める
・必要な工具を決める
・予算を決める
・作業時間を考える
・設置場所の採寸
・デザイン図面の作成
・作業手順書の作成
計画が完了したら、実際に材料や工具を購入する前に、もう一度全体を見直してみましょう。特に初心者の方は、経験者にアドバイスをもらうことをおすすめします。また、インターネットや書籍で似たようなプロジェクトの情報を集めることで、予想外の問題を防ぐことができます。

材料準備

材料の準備段階では、品質の確認が重要です。特に木材を使用する場合は、反りや割れがないかをしっかりとチェックします。ホームセンターで材料を購入する際は、必要に応じてカットサービスを利用するのも良い方法です。
材料を購入する際に確認すべき点は、以下の点です。
・木材の品質(反り、割れ、節の有無)
・必要な寸法と量
・含水率
・強度
・価格
・加工のしやすさ
・仕上がりの美しさ
DIYにおける「含水率」とは、木材の全重量に対する水分の重量の比率を百分率(%)で表したものです。木材の含水率は、完成品の品質に大きく影響する重要な要素です。一般的に室内で使用する家具や建具には、含水率15%以下の木材を使用することが推奨されています。DIYで木材を購入する際は、なるべく乾燥が十分な材料を選ぶことが大切です。
また、作業を始める前に全ての材料と工具が揃っているか、チェックリストを使って確認しましょう。途中で材料が足りないことに気付き、作業が中断してしまうことは避けたいものです。

作業手順

実際の作業では、安全に配慮しながら、計画に沿って一つずつ丁寧に進めていくことが大切です。最初に作業場所の確保と整理整頓を行い、安全な環境を整えます。
基本的な作業の流れは以下の通りです。
・採寸と印付け
・材料のカット
・部品の組み立て
・表面処理(やすりがけ)
・塗装
・仕上げ
・検品
各工程で急いで作業を進めるのではなく、一つ一つの作業を確実に行うことを心がけましょう。特に測定や印付けは、完成品の精度に大きく影響するため、慎重に行う必要があります。

仕上げ作業

DIYの最終段階である仕上げ作業は、作品の見た目や耐久性を大きく左右する重要な工程です。表面処理から最終的な検品まで、丁寧な作業が求められます。
まずは全体のやすりがけを行い、表面を滑らかに仕上げます。特に木材を使用した場合は、木目に沿って丁寧にやすりをかけることで、美しい仕上がりになります。また、角の部分は面取りを行うことで、見た目の良さだけでなく、安全性も高めることができます。
次に塗装やワックス掛けなどの表面処理を行います。この工程では、材料に合った適切な処理方法を選ぶことが重要です。
木材の場合、ステイン塗料で色付けをした後にニスやワックスで保護する方法が一般的です。塗装は薄く何度も重ねることで、より美しい仕上がりが期待できます。

DIY作品の実例

DIYには様々な難易度の作品があり、経験や技術レベルに応じて選ぶことができます。ここでは、実際の作品例を通して、DIYの具体的な進め方や注意点について解説していきます。

初心者向け作品

初心者の方には、比較的シンプルな構造で、基本的な工具だけで作れる作品がおすすめです。
たとえば、壁に取り付ける飾り棚や、シンプルなサイドテーブルなどが適しています。これらの作品では、材料のカットや組み立ての基本的な技術を学ぶことができます。
初心者向けの作品では、失敗を恐れずにチャレンジすることが大切です。最初は完璧な仕上がりを目指すのではなく、基本的な作業の流れを理解することに重点を置きましょう。また、分からないことがあれば積極的に経験者に相談することをおすすめします。

中級者向け作品

基本的な技術を習得した方は、より複雑な構造や高い技術を必要とする作品に挑戦してみましょう。引き出し付きの収納家具や、可動式のパーティションなど、機能性とデザイン性を両立させた作品は、技術の向上に役立ちます。
中級者向けの作品では、精度の高い加工や複雑な組み立てが求められます。そのため、より詳細な設計図を作成し、各工程での確認を丁寧に行うことが重要です。また、新しい工具や技術にも積極的にチャレンジし、スキルの幅を広げていくことをおすすめします。

応用テクニック

中級者以上の方が習得すべき応用テクニックは、作品の質を大きく向上させる重要な要素です。たとえば、木材の接合方法では、単純なビス止めだけでなく、ほぞ組みや留め加工などの伝統的な技法を取り入れることで、より堅牢で美しい作品を製作できます。
また、塗装技術の向上も重要です。グラデーション塗装や、エイジング加工など、より高度な仕上げ技法を習得することで、作品の魅力を引き出すことができます。これらの技術は、一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な練習と経験を重ねることで、確実に上達していきます。

DIYを始める前の準備

DIYを楽しく、安全に続けていくためには、適切な準備が欠かせません。ここでは、DIYを始める前に整えておくべき環境や知識について解説します。

作業スペースの確保

作業スペースは、DIYを行う上で重要な要素です。理想的には、天候に左右されない屋内で、十分な換気が可能な場所を確保することをおすすめします。ベランダや物置、ガレージなども作業スペースとして活用できますが、近隣への騒音や粉塵の配慮も必要です。
作業台の設置も重要なポイントです。安定した作業台があることで、より安全で正確な作業が可能になります。また、工具や材料の収納スペースも確保しておくと、作業がより効率的になります。整理整頓を心がけ、必要な物がすぐに取り出せる環境を整えることで、作業の質が向上します。

基礎知識の習得

DIYを始める前に、基本的な工具の使い方や安全管理について学んでおくことは非常に重要です。ホームセンターなどで開催されるワークショップや、オンラインの学習リソースを活用して、基礎知識を身につけましょう。
特に、電動工具の取り扱いについては、必ず説明書をよく読み、安全な使用方法を理解してから作業を始めることが大切です。また、材料の特性や加工方法についても、事前に学習しておくことで、より良い作品作りが可能になります。

安全対策

DIYを安全に楽しむためには、正しい安全対策が不可欠です。作業中の事故やケガを防ぐため、必要な知識と備えを整えておく必要があります。電動工具を使用する際は特に注意が必要で、正しい使用方法を理解し、適切な保護具を着用することが重要です。
また、作業場所の環境整備も安全対策の重要な要素です。十分な明るさと換気を確保し、整理整頓を心がけましょう。特に塗料や接着剤を使用する際は、換気に十分注意を払う必要があります。さらに、作業時の服装にも気を配り、長袖や長ズボン、滑りにくい靴を着用することをおすすめします。

まとめ

DIYは、専門家に頼らず自分の手で物を作り上げる喜びを味わえる、やりがいのある趣味活動です。日曜大工やハンドメイドとは異なり、より幅広い材料や技法を活用でき、実用性と創造性のバランスを取りながら作品作りを楽しむことができます。
これから初めての方も、すでにDIYを楽しんでいる方も、本記事で紹介した基本的な知識とテクニックを参考に、自分らしいDIYライフを築いていってください。DIYの世界には、まだまだ多くの可能性と発見が待っています。
日本デザインプランナー協会編集部
デザイン業界の発展と専門職の地位向上を目的とした団体である日本デザインプランナー協会(JDP)編集部が運営するコラムです。
インテリアデザイン資格であるインテリアデザイナーや空間ディスプレイデザイナー®、インテリアアドバイザー、ハンドメイド・クラフトデザインの資格のハンドメイドマイスター®、ニードルフェルトデザイナー®、キャンドルデザイナーやレジンアートデザイナー、ビーズアクセサリーデザイナーや趣味の資格であるフラワーアレンジメントデザイナー、盆栽士®などを資格認定しています。
日本デザインプランナー協会編集部

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