インテリアのコーディネートや設計などのインテリア関連の仕事を行うにあたって、必須となる資格はありません。
したがって、資格を取得しなくてもインテリア関連の職に就くことは可能です。
ただ、資格を取得することで、インテリアの仕事に対する熱意や理解の深さの証明として提示できるため、インテリア関連の職への就職・転職の際、優位にはたらく可能性は充分に考えられます。
インテリア業界で働く方や、これから就職・転職を目指す方にとって、取得することでプラスになる機会も多いでしょう。
インテリア資格の取得や、インテリアに関する知識やスキルを習得することによるメリットは、主に4つ考えられます。
・インテリアに関する基礎知識が身につく
・インテリア業界への就職や業界内での転職・独立に役立つ
・インテリア関連のさまざまな職に活かせる
・講師として活躍できる
具体的な活かし方を含め、詳しく解説します。
インテリア資格の取得に向けて勉強することで、インテリアの選び方や効果的な配置方法など、インテリアに関する基礎的な知識を身につけられます。
習得した知識やスキルは、自宅や職場などの室内空間を快適に整えるのに大いに活用できるでしょう。
インテリア資格は、インテリア業界への就職や転職、業界内での独立の際にも役立ちます。
資格は必須ではありませんが、インテリアに関する知識やスキルを習得していることの証明として、大きなアピール要素のひとつとなるでしょう。
将来的に改装・改修工事などの大規模な仕事に関わりたいと考えている方は、インテリア資格とあわせて、より権威性が高く携われる仕事の範囲も広がる建築士資格(国家資格)の取得を目指すのもおすすめです。
インテリア資格は、以下をはじめとするインテリア関連のさまざまな職に活かせます。
・インテリア販売店
・建築会社
・リフォーム業者
・インテリアデザイン事務所 など
資格取得で得た知識を活かしてお客様に的確な提案・アドバイスが行えれば、お客様からの信頼獲得にもつながるでしょう。
インテリア資格の取得をとおして身につけた知識を活かして、講師活動を行うこともできます。
自分の予定を優先しながら自宅やカルチャースクールで副業として活動する、本格的にスクールを開校するなど、自分に合った働き方を選択できるのも魅力です。
インテリア集めや模様替えを趣味とされている方も、習得した知識を活かし講師として多くの方にインテリアの魅力を伝える活動を行うことで、あらたなインテリアとの関わり方を楽しめるでしょう。
インテリアアドバイザーは、インテリアに関する基礎知識を身につけ、インテリアアドバイザーとしての活動に知識・技術を活用できる技能を有しているものに与えられる資格です。
これからインテリアアドバイザーとして働きたい方や、現在インテリア・建築関連の企業で働いている方を対象とした試験内容となっていますが、インテリアに関する知識を身につけたい一般の方も受験可能です。
資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師活動も行えます。
【インテリアアドバイザー認定試験の内容】
・家具や照明などのインテリアに関する商品知識
・販売や技術等に関する幅広い基礎知識 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
インテリアデザイナーは、インテリアに関する商品知識や販売技術、インテリアデザイナーとしての理解力や表現力を問う認定試験に合格したものに授与される資格です。
現在インテリアデザイナーとして働いている方や、インテリア販売業でお客様へ空間づくりのアドバイスを行っている方が資格を取得し、知識を活かして活躍されています。
資格取得後は、セミナーや講習会を開き講師として活動するのも可能です。
【インテリアデザイナー認定試験の内容】
・家具や照明などのインテリアに関する商品知識
・販売や技術等に関する幅広い基礎知識 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
インテリアプランナー(IP)は、高品質で魅力的なインテリア空間をトータルに実現できる設計能力を有するものに与えられる資格です。
インテリアに対する多様なニーズに柔軟に対応するために必要となる建築の構造や設備に関する基礎知識や、建築基準などに関する知識、工事が設計通りに行われているかなどの確認を行うスキルが求められます。
インテリアプランナー資格取得には、学科試験と設計製図試験に合格する必要があります。
学科試験に合格し登録申請を行うことで授与されるアソシエイト・インテリアプランナー(AIP)資格があれば、5年間は設計製図試験の受験が可能です。
国家資格である建築士資格取得者は学科試験免除となることから、資格取得者の約80%を建築士が占めています。
このほか、インテリア設計・施工会社、建築設計事務所、総合建設業、プレハブ会社、不動産業などで、資格取得者が活躍しています。
【インテリアプランナー試験の内容】
・学科:インテリア計画/インテリア装備/インテリア施工/インテリア法規および建築一般
・設計製図:建築物における空間の使われ方/生活のイメージがわかるようなインテリアの設計
受験資格 | ・学科試験:特になし ・設計製図試験:当該年度および前4年度の学科試験の合格者・アソシエイト・インテリアプランナー・建築士(一級・二級・木造建築士) |
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受験料 | ・学科試験:9,000円(税抜) ・設計製図試験:1万5,000円(税抜) ・学科試験+設計製図試験:2万4,000円(税抜) |
受験申請 | 郵送 |
受験方法 | 会場(全国各地の指定された会場にて) |
会場(全国各地の指定された会場にて) | アソシエイト・インテリアプランナー新規登録:2,000円/インテリアプランナー新規登録:1万円 ※そのほか再登録料・更新講習料などの規定あり |
インテリアプランナー登録には、設計製図試験合格のほか以下のいずれかの条件を満たす必要がありますので、あわせてご確認ください。
・学歴を有するもの(大学・高等学校・専門学校などのインテリアまたは建築に関する課程を修めて卒業したもの)
・建築士の資格取得者
・インテリアに関する実務経験が2年以上あるもの
インテリアコーディネーターは、インテリア商品(内装・家具・ファブリックス・照明器具・住宅設備など)に関する幅広い理解や、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行える知識を有するものに与えられる資格です。
資格取得をとおして、住宅・インテリアメーカー、工務店、販売店などで、お客様に適切な提案を行うためのスキルを習得できます。
試験はマークシートによる学科の一次試験と、プレゼンテーション・論文による記述式の二次試験に分けられます。
一次試験合格者のみ、二次試験の受験が可能です。
一次試験の合格は、次年度から3年間有効です。
二次試験受験申し込み時に免除申請を行うことで一次試験が免除され、二次試験のみの受験が可能となります。
【インテリアコーディネーター資格試験の内容】
・学科試験:インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること/インテリアコーディネーターの仕事に関すること/インテリアの歴史に関すること/インテリアコーディネーションの計画に関すること/インテリア関連の法規・規格・制度に関すること など
・記述式:プレゼンテーション・論文によるインテリア計画の提案に関すること
受験資格 | ・学科:特になし ・記述式:過去3年以内に一次試験に合格していること |
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受験料 | ・基本タイプ(一次試験→二次試験):1万4,850円(税込) ・一次試験<先取り>タイプ:1万1,550円(税込) ・二次試験<一次免除>タイプ:1万1,550円(税込) |
受験申請 | インターネット/郵送 |
受験方法 | 会場(全国12地域) |
インテリアプランニングアドバイザーは、古代から現代のインテリアの流れや、インテリアの種類、配色パターンなどについて学ぶことで取得できる資格です。
資格取得をとおして身につけた知識は、快適な居住空間づくりやインテリア関連の仕事などに幅広く活かせます。
インテリア業界への就職を考えている方や、スキルアップを目指している方にもおすすめです。
【インテリアプランニングアドバイザー認定資格試験の内容】
・インテリアの基礎
・インテリアの種類と業界
・インテリアプラン
・インテリアアイテム別の特徴
・インテリア法規 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | テキスト教材+試験:4万9,500円/試験のみ:1万1,000円 |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験※受験日時の指定なし |
インテリア設計士は、安全で快適な生活を実現するためのインテリア計画・設計に関する知識や、生産施工・監督技術を有するものに与えられる資格です。
インテリア資格の中でも難易度の高い資格とされています。
レベル別に2級・1級に分けられ、それぞれ学科試験と実技試験の合格により資格が授与されます。
学科 | 実技 | |
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2級 | ・計画:デザイン論・デザイン基礎 など ・技術:インテリア材料・生産・装飾 など ・法規:インテリア・建築関連法規 など |
・企画計画(生活住空間デザインの計画案・コンセプト・仕様書の作成) ・表現技術(平面図・天井伏図・パースグリッドによる透視図 など) |
1級 | インテリア全般からの課題に対する800字〜1,000字の論文(課題例:インテリアデザイン・環境デザイン・インテリア史・技術関係 など) | ・企画計画(生活住空間としての企画計画・コンセプト・仕様書の作成) ・表現技術(平面図・展開図・天井伏図・透視図・詳細図) |
受験資格 | ・2級:大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・専門学校などにおいて、インテリア・建築などに関連する教育課程を卒業・終了した、または在学中のもの ほか ・1級:2級インテリア設計士資格取得後2年以上の実務経験があるもの・一級建築士、二級建築士、木造建築士、あるいはインテリアプランナーの資格所有者 ほか ※一部抜粋 |
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受験料 | ・2科目受験:1万5,000円(学科・実技の両科目受験の場合) ・1科目受験:1万円(学科・実技のいずれかのみ受験の場合) ・1科目合格済者:1万円(不合格科目再受験の場合) |
受験申請 | 郵送 |
受験方法 | 会場(支部所在都市にて) |
各級とも受験資格が細かく定められています。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
インテリアデコレーターは、「一般社団法人日本インテリアデコレーション協会(JAPAN INTERIOR DECORATORS ASSOCIATION)」主催のインテリア資格です。
資格取得には、個々の価値観に基づく質の高い豊かな暮らしを実現するために必要となる、インテリアに関する知識や技術に対する幅広い理解が必要です。
ほかのインテリア資格と異なり、和の意匠や生活文化、伝統工芸の美しさへの理解についても言及されている点が、インテリアデコレーター資格の特徴といえます。
試験はレベル別に2級・1級・EX(最上級)に分けられています。
レベル | 実施形態 | |
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2級 | 専門家に限らず、誰もが日常的な暮らしの質を高めるのに役立てられる | 学科試験(マークシート方式) |
1級 | 実践的な専門知識や一定の空間装飾と演出の表現力を有し、多くの人へ利益をもたらすインテリアの専門家となる | 学科試験+実技試験(プレゼンテーション) |
EX | より深い専門知識と高い技術を有し、さまざまな依頼や案件に対し的確なインテリア製品と関連品の提案を行う、質の高いインテリアアデコレーターの創出、育成の基盤となる | 実技+論文+面接 ※詳細未定 |
受験資格 | ・2級:特になし ・1級:2級に合格し協会の認定を受けたもの ・EX:1級に合格し協会の認定を受けたもの、またインテリア関連職種などで3年以上の実務経験があるもの |
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受験料 | ・2級:1万1,000円(税込) ・1級:1万9,800円(税込)※学科試験のみ、実技試験のみの場合は1万3,200円(税込) ・EX:5万5,000円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 会場(東京・大阪 など) |
一級建築士は、設計・工事監理できる建物に制限がなく、すべての設計・工事に携われます。
内装工事の枠を超え、スタジアムや高層ビルなど大型の建築物の設計などに関わりたい方は、一級建築士資格の取得が必須です。
ただし、学科試験・製図試験を含めた合格率は10%と大変低く、難関国家資格のひとつであるため、膨大な学習時間を要します。
二級建築士は、戸建てなどの小規模な建物の設計・工事監理を担います。
一級建築士と異なり、携われる設計・工事監理の範囲が細かく定められています。
例えば、無筋コンクリート造りの学校や病院などの公共施設の場合には、延べ面積500平方メートル以下であれば、二級建築士資格を取得していることで設計を行うことが可能です。
合格率は20%程度と一級建築士よりは高くなりますが、それでも難しい試験であることに変わりはありません。
木造建築士は、一級・二級建築士資格ではまかないきれない、木造住宅の設計や歴史的建造物の維持管理を行います。
二級建築士の業務可能範囲に木造建築士が扱う規模の建築物が含まれるため、二級建築士の取得を目指す方の割合が多いのが現状です。
範囲が木造に限られるため、合格率も35%程度とほか2資格より高い水準となっています。
建築士資格の中でもっとも職人色が濃く、文化財などの歴史的建造物の改修に携わりたい方におすすめの専門性の高い資格といえるでしょう。
インテリアに関する書籍は多数出版されているため、独学で手軽に勉強を始められます。
ただ、膨大な情報量の中から資格取得に必要な内容を絞り込み、効率よく知識を身につけるのは容易ではありません。
書籍を利用しての学習は、インテリアに関する知識をある程度備えている方が、復習や再確認のために取り入れるのがおすすめです。
公式テキストから問題が出題される資格試験の場合は、主催団体が提供するテキストに沿って勉強しましょう。
インテリアデザインが学べる学科のある大学や専門学校に通うのも、インテリア資格取得に向けた勉強法のひとつです。
講師による実技指導を受けながら、専門的な知識を数年かけてじっくり身につけられるため、インテリアに関する知識やスキルを十分に深められます。
ただ、時間と場所に縛られることや、まとまった学費も必要なことから、インテリアデザインの勉強に数年単位で専念できる方に向いているといえるでしょう。
インテリアのデザインや設計に携わる会社で、実務を通じて知識やスキルを身につける方法もあります。
実際にお客様の要望を受け、快適に過ごせる空間づくりを行う現場から学べることは多いでしょう。
ただ、インテリア資格の取得に必要な知識を実務のみで習得するのは、現実的ではありません。
インテリア関連の仕事に携わりつつ、書籍での学習や次にご紹介する通信講座での勉強をあわせて行うのがおすすめです。
自分のペースで着実に資格取得を目指したい方には、通信講座の受講がおすすめです。
「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」の通信講座では、人気インテリア資格「インテリアアドバイザー」「インテリアデザイナー」の2資格の学習を同時に進められます。
さらに、「SARAスクールジャパン インテリアデザイナープラチナコース」「諒設計アーキテクトラーニング インテリアデザイナーW資格取得講座 スペシャル講座」を選択すれば、講座修了と課題提出のみで2資格を同時に取得できます。
わかりやすいテキストで学習を進められるため、インテリアについてはじめて学ぶ方にもおすすめの学習法です。
インテリア資格は、インテリアに関する基礎知識を有し、快適な室内空間づくりの提案やアドバイスを行えるものに与えられる資格です。資格取得を通じて身につけた知識やスキルは、店舗の内装デ...