空間デザインは、以下の4つの要素で構成されます。
・形:空間の高さ・広さ・レイアウト
・素材:壁・床・インテリアの材質
・光:明るさと暗さ・陰影
・色:効果的な配色
空間デザインにはインテリアデザインの要素も含まれますが、インテリアデザインが居住空間に限られるのに対し、空間デザインにはレストランやショップなどの商業空間も含まれる点が、両者の大きな違いです。
空間デザインは、より幅広い範囲に活かせる知識・スキルといえるでしょう。
空間デザインに必要な知識を備え、快適な空間づくりのアドバイスを行うのが、空間デザイナーの仕事です。
特に資格を必要とする職種ではありませんが、資格取得をとおして専門知識を身につけることで、より的確な提案が行え、空間デザインの相談にみえるお客様からの強い信頼を得られるでしょう。
空間デザイン資格を取得することで得られるメリットとして、以下の3つが挙げられます。
・空間デザイン関連の職に活かせる
・居住空間を快適にアレンジできる
・空間デザインの講師として活躍できる
具体的な活かし方を含め、詳しく解説します。
空間デザイン資格の取得をとおして身につけた知識やスキルは、居住空間や商業空間の設計・建築などに関わる以下のような職種に活かせます。
・リフォーム業
・設計関連業
・ハウスメーカー
・デザイン・設計事務所
また、アパレルの店舗のレイアウト、ブライダル関係の施設における空間演出、自身が運営するお店の内装デザインなどにも活かせます。
空間デザインに関する知識を取り入れることで、お客様の利便性を追求した快適な空間づくりを行えるでしょう。
空間デザイン資格は、センスの良い居住空間づくりを行いたい方にもおすすめの資格です。
自宅のカーテン・壁紙・照明の色味、テーブルやソファーの素材や配置などを、資格取得で身につけた知識を取り入れながら工夫することで、より自分にとって心地よい空間を実現できます。
インテリアやデザイン関係の職に就いている方に限らず、インテリア選びや配置にこだわりがある方などにも、有益な資格といえるでしょう。
資格取得をとおして身につけた知識を活かして、講師活動を行うことも可能です。
自宅やカルチャースクールで自分の都合を優先させながら活動する、セミナーを積極的に開催し講師業に専念するなど、さまざまな働き方が考えられます。
カラーコーディネーターとしてすでにスクールを開講されている方であれば、空間デザインの知識をプラスすることで、より講義内容を充実させられるでしょう。
空間ディスプレイデザイナー®は、空間ディスプレイデザイナー®としての知識・技術を有することの社会的な証明を目的とする認定試験に合格したものに与えられる資格です。
陳列の知識や、色彩演出・照明技術などの技能の習得も求められます。
空間ディスプレイデザイナー®認定試験は、レベル別に2級・1級に分類されています。
・2級:空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術を有していることを認定する
・1級:空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術に加え、空間を表現する技能を有していることを認定する
試験のレベルは異なりますが、出題範囲と試験の基本情報は共通です。
【空間ディスプレイデザイナー®認定試験2級・1級の内容】
・空間の陳列の基礎・応用
・色彩の基礎知識
・ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)の基礎知識 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
インテリアコーディネーターは、住宅・インテリアメーカー、工務店、販売店などで、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行える知識とスキルを身につけたものに与えられる資格です。
資格取得には、インテリア(内装・家具・ファブリックス・照明器具・住宅設備など)に関する幅広い商品知識が必要となります。
一次試験(学科)合格後に二次試験(プレゼンテーション・論文)を受験し、合格基準を満たしたものに資格が授与されます。
【インテリアコーディネーター資格試験|一次試験(学科)の内容】
・インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
・インテリアコーディネーターの仕事に関すること
・インテリアの歴史に関すること など
【インテリアコーディネーター資格試験|二次試験(プレゼンテーション・論文)の内容】
・プレゼンテーション:住まいなどのインテリアに関する与えられた課題についてインテリア計画を行い、図面作成や着彩により必要な情報をわかりやすく表現し伝達できる能力を試される
・論文:住まいなどのインテリアに関する与えられた課題についてインテリアコーディネーターとして理解・判断し、的確な解答を文章で明瞭に表現できる能力を試される
受験資格 | 一次試験:特になし/二次試験:一次試験に合格したもの |
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受験料 | 1万4,850円(税込) ※一次試験のみ・一次試験免除で二次試験のみ受験の場合は1万1,550円(税込) |
受験申請 | インターネット/郵送 |
受験方法 | 会場(全12地域) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
一次試験合格後、次年度から3年間は、申し込み手続き時に申請することで一次試験が免除されます。
インテリアデザイナーは、インテリアに関する商品知識や販売技術、インテリアデザイナーとしての理解力や表現力が問われる資格です。
インテリアデザイナーとして働きたい方や、インテリア・建築関連の企業で働いている方を対象とした認定試験ですが、インテリアに関する知識を深めたい一般の方にもおすすめです。
実際に、インテリア関連の職に就いている方だけでなく、副業につなげたいと考えている方、インテリアが好きな方などが資格を取得し、習得した知識を業務やプライベート空間のデザインに活かしています。
【インテリアデザイナー認定試験の内容】
・家具や照明などのインテリアに関する商品知識
・販売や技術に関する基礎知識 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
インテリアアドバイザーは、アドバイザーとしての知識・技術と、それを実務で活用できる技能を有するものに与えられる資格です。
インテリアアドバイザーとして働きたい方や、インテリア・建築関連の企業で働いている方を対象とした試験内容となっていますが、受験資格に制限はないため、インテリアに興味のある一般の方も受験可能です。
資格取得後は、自宅やカルチャースクールで講師活動も行えます。
【インテリアアドバイザー認定試験の内容】
・家具や照明などのインテリアに関する商品知識
・販売や技術などに関する幅広い基礎知識 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
色彩検定は、色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。
1990年の第1回開催以降、累計150万人以上が受験している、文部科学省後援の人気資格です。
レベルごとに3級・2級・1級に分類され、2018年冬にはUC級(UC:色のユニバーサルデザイン)が新設されています。
レベル | 各級の目安 | 検定内容 |
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3級 | 光と色・色の分類と三属性・色彩心理・ファッション・インテリアなどの色彩に関する基礎知識が問われる、初めて色について学ぶ方向けの試験 | ・色はなぜ見えるのか? ・インテリアと色彩 ・配色の基本的な考え方 など |
2級 | 3級の内容に加え、色のUD・照明・配色イメージ・ビジュアル・インテリアなどに関する理解と技能が問われる、実務に応用したい方向けの試験 | ・色のはたらき ・イメージ別配色法 ・住空間のインテリアとは など |
1級 | 2級・3級の内容に加え、色彩と文化・色彩調和論・色彩とビジネスなどに関する理解と技能が問われる、プロフェッショナル向けの試験 | ・ヨーロッパと日本の色彩文化 ・心理的な見え方による色の分類 ・色彩のビジネス活用 など |
UC級 | ユニバーサルデザイン・高齢者の見え方などの配色における注意点や改善方法に関する知識を問われる、公共施設や福祉施設で働く方や設計者向けの試験 | ・色のユニバーサルデザイン ・色覚のタイプによる色の見え方 ・色のUDの進め方 など |
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 3級7,000円(税込)/2級1万円(税込)/1級1万5,000円(税込)/UC級6,000円(税込) |
受験申請 | インターネット/郵送/特約書店 |
受験方法 | 会場(全11エリア) |
合格実績 | 満点の70%前後 ※問題の難易度により多少変動 |
カラーコーディネーター検定試験は、仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学べる検定試験です。
検定試験では、色の性質や特性などの色彩に関する知識について問われます。
インテリアやファッション関連の仕事など、色の持つ効果を最大限発揮させることで業績アップにつながる可能性のあるビジネスシーンにおいて、習得した知識を大いに活用できるでしょう。
カラーコーディネーター検定試験は、スタンダードクラスとアドバンスクラスの2クラスに分かれており、併願も可能です。
【カラーコーディネーター検定試験の内容】
・スタンダードクラス:日常から見た色彩に関する基礎的な知識
・アドバンスクラス:スタンダードクラスの知識に加え、ビジネスにおける色彩の活用事例などの幅広い知識
各クラスとも、公式テキストの内容に加え、それを理解したうえでの応用問題が出題されます。
受験資格 | 特になし |
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受験料 | スタンダードクラス5,500円(税込)/アドバンスクラス7,700円(税込) ※CBT方式選択時+2,200円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | IBT方式(受験者自身のパソコン・インターネット環境を利用し受験する試験方式)/CBT方式(各地のテストセンターにて備え付けのパソコンで受験する試験方式) ※いずれも日時指定あり |
合格実績 | 100点満点中70点以上をもって合格とする |
カラーセラピーは、色の生理的効果や心理的効果を用いて、心身のバランスをとることを目的とした療法「カラーセラピー」に関する専門的知識を有するものに与えられる資格です。
色の効果や原理、活用方法などの知識が問われます。
資格取得後は、プロのカラーセラピストとして、カウンセリングや講師活動を行えます。
【カラーセラピー認定試験の内容】
・色のはたらき
・色の表示
・色彩調和
・色彩効果
・カラーコーディネーションの意義 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
色彩インストラクターは、色の表現方式の一種であるHSV色空間をはじめとする、色彩に関する専門知識を身につけたものに授与される資格です。
HSVカラーモデル・HSBカラーモデル・色のコントラスト・ハレーション・色覚異常の方に配慮した配色・日本色研配色体系などへの理解が求められます。
資格取得後は、習得した知識を活かして講師として活動する道も開けます。
【色彩インストラクター資格検定試験の内容】
・色の性質
・色と心理
・色を表し伝える方法
・配色と色彩調和
・光から生まれる色 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
カラーアドバイザーは、色の性質や特質を理解し、的確な助言をする専門家としての知識を有するものに与えられる資格です。
色によって受ける印象の違いや、色が心理的側面に与える影響などに関する知識を問われます。
資格取得後は、カラーアドバイザーとして講師活動を行うことも可能です。
【カラーアドバイザー認定試験の内容】
・色彩の歴史的発展と現状
・生活者の視点からの色
・生産者から見た色
・色の表示
・色彩調和 など
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験(設定された6日間の試験期間内に解答し、協会宛に解答用紙を送付) |
合格実績 | 70%以上の評価 |
空間やインテリアのデザイン、カラーコーディネートに関する書籍は多数出版されているため、独学で手軽に勉強を始められます。
ただ、さまざまなアプローチの本の中から、空間デザイン資格取得に必要な内容を含むものを選択し、効率よく学習を進めるのは容易ではありません。
特に初めて空間デザインについて学ぶ方にとっては、情報量が多すぎることで難易度が高く感じられ、資格取得を諦める要因にもなり得ます。
書籍での独学は、ある程度デザインに関する知識を備えている方が、復習や再確認のために取り入れるのがおすすめです。
建築設計やデザインの専門学校は、全国各地に存在します。
講師の実演などを見ながら着実に知識やスキルを身につけられるため、数年単位で学校に通い続けられる方や、まとまった費用を資格取得に費やせる方にはおすすめです。
ただ、学生として集中的に学ぶ必要があるため、働きながら空間デザインについて学びたい方や、育児の合間に自分のペースで学習を進めたい方などにはあまり向いていません。
空間デザインや設計に携わる職場で実務をとおして学ぶのも、勉強法のひとつです。
さまざまな事例を実際に見ながら、快適な空間づくりに必要なスキルを身につけられます。
空間デザイン資格の取得に必要な基礎知識について学ぶためには、仕事で携わるだけでは不十分な面もあります。
実務経験を積みながらも、テキストでの学習や講座受講などを併用するのがおすすめです。
自分のペースで時間や場所に縛られず資格取得を目指したい方には、通信講座の受講が向いています。
「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」の通信講座では、本記事でご紹介した中でも特におすすめの、空間ディスプレイデザイナー®2級・1級資格の学習を同時に進められる講座が開講されています。
さらに、「SARAスクールジャパン 空間プロデュースプラチナコース」「諒設計アーキテクトラーニング 空間ディスプレイデザイナー®W資格取得講座 スペシャル講座」を選択すれば、講座修了と課題提出のみで、2資格の同時取得が可能です。
わかりやすいテキストで学びながら、認定試験なしで2資格を確実に取得できるため、初めて空間デザインについて学ぶ方も安心して受講できるでしょう。