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カリグラフィーの書体種類は?代表的な書体や特徴について解説!

カリグラフィーの世界にはさまざまな書体が存在し、それぞれが独自の魅力を持っています。 当記事では、カリグラフィー初心者や経験者に向けて、代表的な書体の特徴やその選び方、練習方法を詳しく解説します。 カリグラフィーは、単なる装飾ではなく、文字の美しさを追求する芸術です。 自分に合った書体を見つけることで、作品の表現力が広がり、より魅力的な文字が描けるようになるでしょう。 ぜひ、あなたも自分のスタイルを探してみてください。
目次

カリグラフィーの美しい書体の世界

カリグラフィーは、文字を美しく描く芸術であり、その書体によって作品の雰囲気やメッセージが大きく変わります。 書体は単なる文字の形を超え、歴史や文化と深く結びついています。 さまざまな時代や地域で発展してきたカリグラフィーの書体は、独自の美しさと個性を持ち、それぞれに特有の魅力を放っています。

伝統的なカリグラフィー書体の魅力

カリグラフィーの伝統的な書体には、長い歴史を持つものが多く、その背景には文字を美しく整えるための技術や精神が込められています。 これらの書体は、単なる装飾ではなく、時代を超えて引き継がれてきた文化の一部です。 それぞれの書体には、書き手の手技や感性を反映させる要素があり、書くたびに新しい発見があるのも魅力の一つです。

古代から続くラスティック体の魅力

ラスティック体は、古代ローマ時代に使用されていた書体で、主に正式な文書や石碑の刻字に用いられました。 ラスティック体の特徴は、その洗練されたシンプルさにあります。 この書体は、垂直に近い線と、平行線を多用することで、直線的で引き締まった印象を与えます。 ラスティック体は、ローマンキャピタル(ローマ大文字)に似た形状を持ち、比較的太い線と細い線のコントラストが特徴的です。 特に石に刻むことを意識してデザインされたため、力強く、なおかつ緻密なバランスを持つことが重要視されました。 この書体を使用すると、威厳と重厚感を感じさせる表現が可能です。 カリグラフィーにおいても、ラスティック体は力強い表現を求める際に使われることが多く、歴史的な重みを感じさせる作品に最適です。

優雅なアンシャル体の歴史と特徴

アンシャル体は、4世紀頃から中世にかけて広く使われた書体で、その流れるような優美な曲線が特徴です。 アンシャル体の魅力は、その滑らかな曲線と丸みを帯びた形状にあります。 文字が丸みを帯びていることで、柔らかく優しい印象を与えるため、他の書体に比べて視覚的に親しみやすいという特徴があります。 アンシャル体は、特に聖書や宗教文書の書写に使用されてきました。 丸みを帯びた大文字のみで構成され、大文字と小文字の区別がないのが特徴です。 そのため、シンプルかつ洗練されたデザインが、宗教的な荘厳さを引き立てていました。 また、アンシャル体には「ハーフアンシャル体」と呼ばれる派生書体もあります。 ハーフアンシャル体は、アンシャル体に比べて線が細く、より小さなスペースに文字を収められるよう工夫された書体です。 アンシャル体の丸みを帯びた線とシンプルな美しさを引き継ぎつつも、細かい筆致が求められるため、より緻密な作品を作りたい場合に使われます。 この書体のもう一つの特徴は、筆圧やペンの角度に大きく左右される点です。 アンシャル体を美しく書くには、ペン先の角度を30度程度に保ち、繊細なラインを描くことが求められます。 基本の文字形である「I」や「O」をマスターすることで、他の文字も自然に書けるようになりますが、このバランスを維持するのが難しいため、初心者にはやや高度な書体と言えるでしょう。

カロリンジャン体の影響と特徴

カロリンジャン体は、8世紀から9世紀のカロリング朝時代に広まった書体で、現在のアルファベットの基礎となった非常に重要な書体です。 この書体の導入により、それまでの手書き文字は劇的に整理され、文字の読みやすさが格段に向上しました。 カロリンジャン体の特徴は、その均整の取れた形状と、やや丸みを帯びた線にあります。 カロリンジャン体は、文字が垂直に配置され、かつ一定の間隔を保って並ぶため、整然とした印象を与えます。 この書体は、ゴシック体や後のルネサンス期の書体に大きな影響を与えました。 特に、現代のアルファベットの書体における「小文字」の基礎が、このカロリンジャン体から発展していることは注目すべき点です。 カリグラフィーにおいてカロリンジャン体を使用することで、伝統的でありながらも、現代的なシンプルさを持った作品を作り上げられます。 特に手書きの美しさと明瞭さを兼ね備えたこの書体は、歴史的な文書や宗教的な文章、そして重要なメッセージを伝える際に用いられることが多いです。 カロリンジャン体を書く際には、文字の均一性とバランスを維持することがポイントです。 ペンの角度や圧力を均等に保ち、線の太さを揃えることで、整った文字列を作り出せます。 カロリンジャン体の文字は、視覚的に安定しているため、読み手に安心感を与え、メッセージをより効果的に伝えることが可能です。

代表的な人気カリグラフィー書体

カリグラフィーの世界には、さまざまな書体が存在し、それぞれが異なる特徴と魅力を持っています。 書体の選び方によって、作品の雰囲気やメッセージの伝わり方が大きく変わります。 ここでは、特に人気の高い代表的なカリグラフィー書体であるゴシック体、イタリック体、そしてカッパープレート体について詳しく解説していきます。

ゴシック体の重厚感とその書き方

ゴシック体は、カリグラフィーの中でも特に重厚感と力強さを持つ書体です。 縦長で直線的な線が特徴で、荘厳な印象を与えるため、宗教的な文書や公式な場面で多用されてきました。 ゴシック体を習得することで、作品に力強い存在感を与えることができ、視覚的なインパクトを強められます。

ゴシック体の歴史と発展

ゴシック体の歴史は中世ヨーロッパにさかのぼります。 12世紀から15世紀にかけて発展したこの書体は、当時の宗教的な背景と密接に関連しています。 特に教会や修道院で使用された手書きの写本において、ゴシック体は頻繁に使われ、その厳粛で荘厳な文字スタイルは宗教的な敬虔さを象徴していました。 ゴシック体のデザインは、建築様式のゴシック建築から影響を受けています。 垂直線が強調され、尖ったアーチや高い天井のように、文字にも高さと直線的な美しさが取り入れられています。 この書体は特にフラクター体(黒体)と呼ばれるスタイルで知られており、鋭い角度や折り目を強調したデザインが特徴的です。 フラクター体はドイツで特に人気があり、長い間公式文書に使用されてきました。

ゴシック体を使う上での注意点

ゴシック体を使う際には、その特有の線の太さや直線的な形状に注意する必要があります。 ゴシック体は縦線が強調され、文字間隔が狭くなりがちです。 そのため、読み手にとって読みやすさが失われないよう、文字同士のバランスを意識することが重要です。 また、ゴシック体の重厚さはインパクトを与える反面、軽やかなデザインや柔らかい印象の作品には不向きな場合もあります。 さらに、ペンの持ち方やペン先の角度も大きな影響を与えるのです。 ゴシック体を書く際には、ペン先を常に一定の角度(通常は45度)に保ちながら、均一な太さのラインを描くことが求められます。 この安定したペンのコントロールが、ゴシック体特有の荘厳さを表現する鍵となります。

イタリック体の優美さと基本技法

イタリック体は、その滑らかな曲線と斜めに傾いたデザインが特徴的で、優美でありながら読みやすい書体として知られています。 この書体は、結婚式の招待状や感謝状など、フォーマルな場面でも多く使われ、その優雅さが人々の目を引きます。 イタリック体の基本技法をマスターすることで、シンプルながらも洗練された表現が可能です。

イタリック体の特徴と用途

イタリック体は16世紀のルネサンス期に誕生した書体で、当時の文化的な洗練と美しさを反映しています。 斜めに傾いたラインと、文字の線が流れるように繋がるスタイルが特徴で、軽やかでリズミカルな印象を与えます。 この書体は、当時の手書きの手紙や公式文書に広く使用され、現在でもその伝統的な美しさが尊重されています。 イタリック体は、特に手紙や詩、個人のメッセージなど、感情を込めた書き物に最適です。 滑らかでリズミカルな線が、文字に感情の流れを持たせ、書き手の個性や心情を伝える力があります。 また、斜めのスタイルは動きを感じさせ、ダイナミックな印象を与えるため、カジュアルな作品にも適応できます。 イタリック体のもう一つの特徴は、斜めに傾いた文字が一貫していることです。 この一貫性が、視覚的に美しく整ったレイアウトを作り出し、読み手にとっても読みやすいデザインとなります。 そのため、フォーマルな文書や招待状など、きちんとした印象を持たせたい場面でもよく使われます。

カッパープレート体の洗練されたスタイル

カッパープレート体は、18世紀に誕生した書体で、その滑らかな線と精巧なデザインが特徴です。 この書体は特にエレガントで洗練された印象を与えるため、結婚式の招待状や高級な文書に多く使用されます。 カッパープレート体の習得は少し難易度が高いですが、その美しさと細部へのこだわりが、作品に格別な品格を与えます。

カッパープレート体の書き方の基本

カッパープレート体の書き方の基本は、ペンの持ち方やインクの量、そして線の太さを正確にコントロールする技術にあります。 この書体は、線の太さが筆圧によって変わるため、書き手はペンの圧力を巧みに調整しながら書く必要があります。 ペンを軽く押すことで細い線を描き、少し強く押すことで太い線を描くという繊細なコントロールが求められます。 カッパープレート体の大きな特徴は、アルファベットの一部が非常に装飾的であることです。 特に大文字は、装飾的なカーブやループが取り入れられ、非常に華やかです。 また、文字同士が柔らかく繋がり、流れるように連続していくため、全体的に流麗で一貫性のあるデザインが求められます。 この書体を習得するためには、まず基本的な線の練習から始め、筆圧の調整をマスターすることが重要です。 カッパープレート体は、他の書体に比べて細かい筆致が要求されるため、集中力と丁寧さが求められますが、その結果として得られる美しさは格別です。 作品に高級感や洗練さを加えたいときに、カッパープレート体は最適な選択肢となります。

モダンカリグラフィーのトレンド

カリグラフィーは、長い歴史を持つ伝統的な芸術ですが、現代においてもその魅力は衰えることなく、新たなトレンドが生まれ続けています。 特に「モダンカリグラフィー」は、伝統的な技術と現代の自由な表現を組み合わせたスタイルで、手書き文字の新しい可能性を開いています。 ここでは、モダンカリグラフィーの特徴やその進化について詳しく見ていきましょう。

現代に蘇るモダンカリグラフィーの特徴

モダンカリグラフィーは、従来のカリグラフィーに比べ、より自由で柔軟なスタイルが特徴です。 伝統的な書体や技法に縛られず、個性を表現することが可能で、特にソーシャルメディアやウェディング業界での人気が高まっています。 この新しいカリグラフィースタイルは、古典的な美しさを持ちながらも、よりカジュアルで、現代のライフスタイルに合ったデザインが求められています。

伝統と現代の融合:モダンカリグラフィーの進化

モダンカリグラフィーは、伝統的なカリグラフィーの美しさを尊重しつつも、現代の感性に合わせた自由な表現を追求しています。 古典的なカリグラフィーでは、正確なペンの角度や線の太さの調整が求められ、非常に厳格な技法が重視されていました。 しかし、モダンカリグラフィーでは、そのルールにとらわれず、書き手の感覚を大切にした表現が可能です。 この進化の背景には、デジタル時代の到来が大きく影響しています。 デジタルフォントやタイポグラフィが普及する中で、手書きの温かみや人間らしい不完全さが再評価され、より自由で個性的な表現が求められるようになりました。 その結果、モダンカリグラフィーは、従来の形式を超えて、デザインやアートとしての可能性を広げる新しいスタイルとなっています。 また、モダンカリグラフィーは、文字の形状や配置に自由度が高いのが特徴です。 伝統的なカリグラフィーでは、文字の角度やプロポーションに厳密な基準がありましたが、モダンスタイルでは、文字の線の太さをあえて不揃いにしたり、文字間隔を広げたりすることで、独特のリズムを生み出すことがよく見られます。 この自由なアプローチは、見る人に新鮮さを与えるとともに、書き手自身もクリエイティブな表現を楽しむことができます。

モダンカリグラフィーを始めるためのポイント

モダンカリグラフィーに挑戦するためには、伝統的な技法を理解することが役立ちますが、最も大切なのは、自分らしいスタイルを見つけることです。 モダンカリグラフィーは、厳密なルールに縛られる必要がないため、初心者でも取り組みやすいスタイルです。 ここでは、モダンカリグラフィーを始める際のポイントをいくつか紹介します。 まず、必要な道具は比較的シンプルです。 一般的なディップペンやブラッシュペンを使用することが多いですが、筆ペンや万年筆でも練習が可能です。 特にブラッシュペンは、線の太さを自由に調整できるため、モダンカリグラフィーに適しており、初心者にも扱いやすいアイテムです。 インクは、伝統的なカリグラフィー用インクだけでなく、水彩インクやアクリルインクなど、色彩豊かなものを使うことで、作品に独自のアクセントを加えられます。 次に、文字の書き方についてですが、モダンカリグラフィーでは、伝統的なカリグラフィーで求められるような正確さや均一性は必ずしも必要ではありません。 むしろ、不揃いな線や異なる線の太さが、デザインの一部として活かされることが多いです。 そのため、ペンを自由に動かしながら、自分の書きやすいスタイルやリズムを探すことが大切です。 手首の柔軟な動きや、筆圧を意識して練習することで、独自の線が描けるようになります。 また、文字の練習だけでなく、作品全体のレイアウトにも気を配りましょう。 モダンカリグラフィーでは、文字の配置や余白の使い方が、デザインの重要な要素となります。 例えば、文字を紙の中央に集めて密集感を出すのか、あえて広がりを持たせて軽やかさを表現するのかで、作品の印象が大きく変わります。 このような自由なレイアウトを試しながら、自分の表現したいスタイルを探求していくことが、モダンカリグラフィーを楽しむための秘訣です。 さらに、インスピレーションを得るために、他の作家の作品やSNS、書籍などで現代のカリグラフィーのトレンドを追うことも有効です。 特に、InstagramやPinterestなどのソーシャルメディアでは、世界中のカリグラファーが自分の作品をシェアしているため、さまざまなスタイルや技法を学ぶことができます。 他の作品から影響を受けつつも、自分らしい表現を見つけることが、モダンカリグラフィーの楽しさと言えるでしょう。

アンシャル体の深掘り

カリグラフィーの中でも、アンシャル体は独自の魅力を持つ書体の一つです。 丸みを帯びた大文字が特徴的で、古代から中世にかけて幅広く使用されました。 ここでは、アンシャル体の歴史や書き方のコツ、さらに書く際の注意点について詳しく解説していきます。

アンシャル体の成り立ちと歴史

アンシャル体は、4世紀から9世紀にかけてヨーロッパで広く使用された書体であり、そのシンプルで柔らかな曲線が特徴です。 古代ローマの文字スタイルを基にしつつ、文字の大きさや丸みを強調したデザインが取り入れられました。 この書体は、キリスト教の宗教文書や写本に多く使われ、特に中世の修道院での書写に重宝されました。

「ハーフアンシャル体」との違いとは?

アンシャル体には、後に発展した「ハーフアンシャル体」というバリエーションがあります。 このハーフアンシャル体は、アンシャル体の大文字の丸みを保ちつつも、小文字が導入された点が特徴です。 これにより、文字の読みやすさが向上し、より効率的に書けるようになりました。 通常のアンシャル体では、大文字のみで構成されており、文字がすべて等しい大きさで描かれます。 一方、ハーフアンシャル体は、文字サイズに変化が加わり、文章全体が滑らかに流れるような効果をもたらします。 この違いにより、文書の視覚的な美しさだけでなく、読みやすさも大きく改善されました。

アンシャル体の書き方のコツ

アンシャル体を美しく書くためには、特有の丸みを保ちながらも、線のバランスやペン先の角度に注意する必要があります。 基本的には、シンプルな線で構成された文字ですが、その均整の取れたデザインを実現するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

ペン先の角度と線のバランス

アンシャル体を書く際、ペン先の角度は非常に重要です。 一般的には、ペン先を30度の角度に保つことで、文字の丸みと安定した線幅を実現できます。 この角度は、文字の外枠を強調し、全体の均一な印象を与えるために重要です。 さらに、アンシャル体では、線の太さと細さのバランスが重要な要素です。 ペンの圧力を変えることによって、線に微妙な強弱をつけることで、文字に動きを与え、見た目に美しいリズムが生まれます。 これは特に「I」や「O」といった基本的な文字で効果的です。 これらの基本形を正しく書けるようになることで、他の文字も自然と整ったスタイルで描けるようになります。

基本形「I」と「O」の正しい描き方

アンシャル体の基本となる「I」と「O」は、シンプルでありながら書体全体の美しさを支える重要な文字です。 「I」を書く際は、縦にまっすぐな線を描くことが基本ですが、ペン先の角度を一定に保ちながら、線の太さが均一になるように意識しましょう。 また、ペンを持つ手の動きをできるだけスムーズにし、一本の途切れのない線を描くことが重要です。 「O」はアンシャル体の丸みを象徴する文字です。 この文字では、ペン先を動かしながら、丸みを描きつつも上下左右が均一なカーブを描くことを意識します。 特に、「O」は形が崩れやすいため、バランスを保ちながら、全体が一つの形としてまとまるようにすることが大切です。

アンシャル体の難易度と注意点

アンシャル体は、一見シンプルで書きやすそうに見えますが、その美しい丸みやバランスを正確に表現するためには、細かな注意が必要です。 特に、文字の広がりや形の崩れには細心の注意を払いながら書く必要があります。

文字が広がりすぎないための工夫

アンシャル体を書く際、文字が横に広がりすぎると、全体的にだらしない印象になりがちです。 特に「O」や「C」のような丸い文字は、広がりやすいため、書く際には横幅を抑え、縦の線を意識して文字の形を整えることが重要です。 文字の幅を均一に保つために、あらかじめガイドラインを引いておくと、バランスの良い仕上がりが得られます。 また、アンシャル体は、他の書体に比べて文字が丸みを帯びているため、特に注意が必要です。 文字の形が広がりすぎると、全体の整合性が崩れてしまいますので、書く際には常に文字間のバランスを意識しながら進めることが大切です。

イタリック体やゴシック体との違い

アンシャル体は、その丸みとシンプルさで他の書体と一線を画していますが、特にイタリック体やゴシック体とは大きく異なる特徴を持っています。 イタリック体は、文字が斜めに傾き、流れるような書風が特徴であり、動きやリズムを感じさせます。 一方、ゴシック体は、直線的で重厚な線が多く、全体的に力強さが強調されます。 アンシャル体はこれらとは対照的に、横方向への広がりを抑えた丸みのある文字が特徴で、柔らかく落ち着いた印象を与えることが可能です。 また、アンシャル体は大文字のみで構成されているため、他の書体に比べて視覚的な安定感が高く、文字が横に伸びすぎないようにする点が重要です。 イタリック体やゴシック体では、文字の流れや角ばったデザインが書き手に力強さや動きを要求しますが、アンシャル体は、どちらかといえば静的で均整の取れたデザインが求められます。 このため、アンシャル体は細かいコントロールが必要でありながらも、書き手に対しては落ち着いた集中力が求められる書体です。

自分に合ったカリグラフィー書体を見つける

カリグラフィーは、美しい文字を描く芸術ですが、さまざまな書体が存在し、その選び方によって作品の印象が大きく変わります。 自分に合ったカリグラフィー書体を見つけることで、表現の幅が広がり、より楽しく深い創作体験が得られるでしょう。 ここでは、さまざまな書体を試しながら、自分に合ったスタイルを見つける楽しさと、その過程でのポイントについて解説します。

さまざまな書体を試してみる楽しさ

カリグラフィーには、多くの異なる書体が存在し、それぞれが独自の魅力を持っています。 伝統的なゴシック体やイタリック体、柔らかい曲線が特徴のアンシャル体、そして現代的なモダンカリグラフィーまで、選択肢は非常に豊富です。 さまざまな書体を試すことは、ただ書く技術を磨くだけでなく、自分自身のスタイルを発見する旅でもあります。

自分のスタイルを表現できる書体の選び方

カリグラフィーの書体を選ぶ際に大切なのは、自分の表現したいスタイルや感性に合った書体を見つけることです。 まずは、各書体の特性を理解することから始めましょう。 例えば、ゴシック体は重厚で力強い印象を与えるため、フォーマルなシーンや荘厳な作品に向いています。 一方、イタリック体は、流れるような曲線が特徴で、軽やかさや優雅さを表現したい時に適しています。 アンシャル体のような丸みを帯びた書体は、柔らかく親しみやすい印象を持つため、リラックスした作品やカジュアルな用途にぴったりです。 そして、モダンカリグラフィーは、伝統的な書体のルールにとらわれず、自由な表現が可能なため、個性的でクリエイティブな作品を作りたい人におすすめです。 自分の好みや作品のテーマに応じて、どの書体が最も適しているかを考えながら試してみましょう。 書体を選ぶ際には、視覚的な印象だけでなく、書き心地や難易度も考慮すると、自分に合った書体を見つけやすくなります。 特に初心者の方は、最初は比較的書きやすい書体を選び、徐々に難易度の高いものに挑戦していくと良いでしょう。

カリグラフィー書体の練習と成長のためのポイント

自分に合ったカリグラフィー書体を見つけた後、次に大切なのは、その書体を使いこなすための練習です。 カリグラフィーは、見た目が美しいだけでなく、書き手の技術と表現力が問われる芸術です。 継続的な練習を通じて、技術を向上させ、独自のスタイルを確立していくことが重要です。 練習の基本と継続のコツ カリグラフィーの練習では、まずは基本的な形を正確に描くことが大切です。 どの書体を選んでも、まずは基礎をしっかりと固めることが、後の成長につながります。 具体的には、文字のプロポーションやバランス、線の太さや角度など、細かな部分に注意を払うことが重要です。 練習の際には、できるだけガイドラインを使い、文字の高さや幅が一定になるように心がけましょう。 特に、ゴシック体やイタリック体のような構造のしっかりした書体では、ガイドラインを活用することで、整った文字を書けるようになります。 また、ペンの角度や圧力を変えながら書くことで、さまざまな線の強弱を表現する練習を積むと、文字に立体感やリズムが生まれます。 フィードバックを活かした成長方法 カリグラフィーを上達させるためには、書いた作品を振り返り、フィードバックを得ることが重要です。 自分で書いた文字を見返してみて、どの部分がうまく描けているか、逆にどこが改善の余地があるかを確認しましょう。 また、他のカリグラファーの作品を参考にすることも有効です。 SNSやオンラインのコミュニティで自分の作品をシェアし、フィードバックをもらうことも、成長のための大きな助けになります。 特に難しい書体や新しいテクニックに挑戦する際には、他の人の視点からアドバイスを受けることで、自分では気づかない部分に気づくことができます。 繰り返し練習を重ね、フィードバックを反映させながら書くことで、確実に技術が向上していくでしょう。 作品を仕上げるための工夫 練習を重ねることで基本的な技術が身についたら、次は実際の作品作りに挑戦してみましょう。 作品を仕上げる際には、文字だけでなく、レイアウトや余白の使い方も重要な要素となります。 文字の配置や文字間のバランスを考慮しながら、全体の調和を取ることで、視覚的に美しい作品が生まれます。 また、異なる書体を組み合わせることで、作品にダイナミズムやアクセントを加えることも可能です。 例えば、タイトル部分にはゴシック体を使用し、本文にはイタリック体を選ぶことで、視覚的なコントラストを生み出すことができます。 このように、異なる書体の特性を理解し、適切に組み合わせることで、作品の完成度を高められます。 最後に、カリグラフィーは個性を表現する芸術ですので、自分のスタイルを確立し、自由に表現することが大切です。 規則に縛られすぎず、自分の感性を信じて作品に反映させることで、より魅力的でオリジナリティのあるカリグラフィーが生まれます。

まとめ

カリグラフィーの書体には、それぞれ異なる特徴や歴史的背景があり、自分に合った書体を選ぶことで、作品の魅力を大いに引き出すことができます。 当記事では、代表的な書体であるゴシック体、イタリック体、カッパープレート体などを紹介しました。 カリグラフィーを楽しむためには、さまざまな書体を試してみることが重要です。 自分のスタイルに合った書体を見つけることで、さらに創作の幅が広がるでしょう。

日本デザインプランナー協会編集部
デザイン業界の発展と専門職の地位向上を目的とした団体である日本デザインプランナー協会(JDP)編集部が運営するコラムです。
インテリアデザイン資格であるインテリアデザイナーや空間ディスプレイデザイナー®、インテリアアドバイザー、ハンドメイド・クラフトデザインの資格のハンドメイドマイスター®、ニードルフェルトデザイナー®、キャンドルデザイナーやレジンアートデザイナー、ビーズアクセサリーデザイナーや趣味の資格であるフラワーアレンジメントデザイナー、盆栽士®などを資格認定しています。
日本デザインプランナー協会編集部

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